週末のトイレ

ブリ…ブリブリブリィ!!

 

鈍い音が個室に響き渡る。

ここは職場の来賓用トイレ。勤務開始1時間前のことである。

 

「また下痢か…」

僕はそうつぶやいた。不思議なことに月~金曜日の朝の便は全て下痢なのである。学生の頃に見た艶のある,大きく立派な姿は見る影もなかった。これが社会人の朝便というやつなのか?

 

「仕事にいきたくない」

これが全ての原因であることは分かっていた。しかし、朝便に罪はない。朝便をこんな姿にしてしまったのは僕の責任なのだ。

 

「ごめんよ」

そう元気のなさそうな朝便に声をかける。朝便は何か言いたそうな様子だったが、なにしろ時間がない。水音と共に下水へ流れていく朝便を見つめる余裕すら僕にはないのだ。

 

「この状況を打開するしかない」

そう思った矢先、「………ブログをはじめるのじゃ」僕の脳内にだれかが語りかけた。

え?だれ??ついに仕事のストレスで幻聴が聞こえ始めたかと思ったが、4月の健康診断では聴力は左右共にA。となると考えらるのは僕の脳機能自体がバグっているか、トイレの神のお告げである。

 

トイレという空間は特別だ。どれだけ忙しくても、上司や顧客に罵声を浴びせられてもそれをシャットアウトできる。だれにも邪魔されない安穏の地。まさに人生の避難所である。いるだけで根拠のない自信やインスピレーションも湧いてくる。神が存在していてもおかしくはない空間。

 

無論この文章も家のトイレで書いている。

 

そう、僕はこのトイレの神のお告げに従ってみることにした。

 

土日が明け,明日からまた来賓用トイレに籠る日々が始まる。トイレの神にしかられないようにブログは毎日更新しようと思います。

 

それでは、さようなら。